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5月のおたより
2024-05-02

園庭のモッコウバラがたくさんの花を咲かせ綺麗なアーチが出来ました。進級、入園から3週間が過ぎて新しい環境の中で過ごした子ども達の様子には、心も身体も疲れを感じてそろそろ変化が出てくる頃です。「楽しい!面白い!嬉しい!」から始まった子ども達は、園生活に慣れていくうちに、「あれ?」「おや?」を感じ始めると涙のお別れになったり、ぐずぐず甘えん坊になったり、「幼稚園いや!」と行き渋る様子が見られます。また、大好きな家族と一緒に居られないことが悲しくて離れがたく泣いていた子どもは、だんだん幼稚園での楽しさを知って「バイバイ」が笑顔でできるようになりました。進級児も、大きくなった嬉しさと同時に感じている緊張をほぐし自信につなぐ手助けの必要な時です。これはいつもの4月の幼稚園の風景です。家族と離れて過ごす子ども達は、こうしていろいろな気持ちを経験しながら心の根っこを伸ばします。一人ひとりのスピードは違いますが、どの子も段々逞しく育ちはじめます。涙のお別れも、行き渋りも「ただいま」が笑顔だったら大丈夫です。笑顔で抱きしめて「おかえり」を伝えてください。心配なことはお子さんに聞くのではなく(子どもが話し始めたら聞いてくださいね)、園にお尋ねください。

数日前のニュースで、戦火の中にいる女性がインタビューに答えた言葉に心が動かされました。大切な場所、大切な人、大切な暮らしを奪われたその女性は今の苦しみを述べたあと、「どうかこの苦しみを受け止める力が与えられますようにと神に祈ります。」と語りました。この苦しみを取り除くのではなく受け止める力を求める姿に魂の強さを感じました。未来につながる今、平和を祈ります。未来を生きる子ども達が心の根を張り、豊かに成長し、可能性の枝を伸ばし、神さまと人に愛される人として育つことを願っています。

(園長 藤原睦子)

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