年度末が近づくと何かと気ぜわしく過ごす日々ですが、こんな時だからこそ立ち止まり深呼吸して、周りを見渡してみると大切なものが見えてきます。ついつい、あれもこれもと欲張って相手にも求めすぎたり、自分で自分をがんじがらめにして、からまった糸が一人ではほどけず途方にくれてしまいます。大人の暮らしはやるべきこととやりたいこと、そしてできることのバランスが難しいと感じますが、子ども達はどうでしょうか。先日、年長パーティーが行われました。年長の子ども達は何が出来るかなと考える時に「どうしたら、小さい友だちが喜んでくれるだろう。」「ありがとうや大好きの気持ちをどうしたら伝えられるか。」と目的を決めて話し合いを重ね、準備の時を過ごしました。いろいろな意見が交わされ話し合いが進んでいく様子に成長を感じます。ゼリーを作り、お米を計り、煮干しの頭と内臓を取り、案内状は共同製作し皆で届けました。味噌汁に入れる油揚げをちぎり、豆腐を包丁を使って掌の上で切り、おにぎりの形を整え、準備完了です。この経験の中で子ども達は教会幼稚園が大切にしている「保育を通して育てたい5つの力」(①人の話を聞く②集中して取り組む③生活の決まりを通して、社会の決まりを理解して守④良い人間関係を作る⑤豊かな感性と5感を感じる)をフル稼働させて取り組みました。パーティーの日の食事の時間「美味しい」「ありがとう」の言葉をたくさんもらって、嬉しい気持ちがあふれたことと思います。年長児も温かいもてなしを受けた小さい人たちも、心が育った一日になりました。
今年度の保育もあとわずかになりました。いつも園の保育にご理解とご協力をいただき、支えてくださった保護者の皆さんに感謝し、お礼申し上げます。それぞれの歩幅で歩む子ども達の個々の力の育ちが見えて、進級、進学する子ども達が逞しく思える時期です。大きく深呼吸して、大切なものを見落とすことのないように歩みたいと願います。
(園長 藤原睦子)